HO5:白田(シロダ)「僕、~」が口癖。
僕には生まれつき足が無い。だけどどこまでも歩んでいける『技術』という足がある。それはVRという世界の中を自由に移動することが出来るんだ。この素敵な世界の中を、どこまでも。
あなたは幼き天才プログラマーであり、電子デバイスの達人だ。普段は父親の会社の事業である電子デバイス開発を遠隔で手伝う傍らVRの性能向上に励んでいる。SVRの製造も父親の会社に頼った部分もある。
数年前、あなたを取材したいという記者が居たためその取材を受けた。取材はつつがなく終わったが、気になって記事を見てみると、『VR作りに没頭する悲劇の天才プログラマー』として扱われていた。それは自分が他人に対して劣っているという風な印象付けがなされていると思ったあなたは非常にショックを受けたうえに、周りの人間がそれに対して騒ぎ面倒だった。その出来事以降メディアに出演することは無く、人と関わるのは面倒だと思ったあなたは誰にも正体を明かすことなく一人東京の自宅でVR開発を行っていた。
そんな中、アカと言う人物がネット上でコンタクトを取ってきた。あの記事をどこかで見たらしい。あなたは他人とつるむ気は無かったが、その人物は根気強く自分をリュミエールというチームに誘ってきた。参加するつもりは無かったが、来る日もあくる日もメッセージを送ってくるアカに根負けし、アカと一度話すこととなった。
アカは不思議な人間だった。彼女と話していると、時間がもったいない、何かを為したいと思えてくるし、気が付けば彼女に自分の過去を打ち明けていた。それを聞いたうえで彼女は、正体を明かすのは君の自由だ。と言って、あなたをリュミエールに招待した。リュミエールは意外と活動的な団体で、全員がとても優しかった。
あなたは正体を打ち明けることこそしなかったが、リュミエールの皆とVRを作り、広めていくのは楽しかった。開発はほとんどあなたが担当したが、自分の作ったものが皆の力によって広まっていく様子を見ていると、とても達成感があり嬉しかった。思ったより仲間の力と言うものは偉大なようだ。
……今はVR世界を歩くだけの足しかないけど、今度はVRの空にゆっくりと昇っていきたい。風船のようにゆっくりでいい。今度は僕一人だけでなく、リュミエールの皆と綺麗な風景を見たいな。
過去のタイムライン
16:00頃
最近はずっと青川とVRワールドに入ってSVRのあら捜しと更新を繰り返している。今日は青川に演出の追加について打診をした。前にリュミエールロビーの景色をより綺麗なものにしようと思い、ワールドにある太陽と月のオブジェクトを一定スピードで動かし、現実世界の東京とロビーを同じ状態(東京が昼ならロビーも昼、東京が夜ならロビーも夜)にする設定を作っておいた。青川はこの設定にとても賛同してくれて、すぐに設定を変更しようと言ってくれた。リュミエールロビーに向かい、皆に10分ほどログアウトしてもらうように頼んだ。その時にモモがどんな変更をするか聞いてきたのでそれに答えた。変更作業は10分ほどで終わった。
16:10頃~
モモはどうやら日没を見る会と言って、VR内で日没を見るイベントを立てたみたいだ。モモが呼びかけると、皆が集まってくる。自分の作ったシステムが皆に楽しまれているのを見るのはなんだか嬉しいな。
17:10頃~
ミドさんがログインしてきた。彼はいつもログイン時間は少ないが、豊富な知識から僕にアドバイスをくれたりする。理知的で、少し憧れの人だ。話している最中に、ミドさんは(現実の方で)誰かに呼ばれたみたいだ。「話している途中だがすまない、用が出来た」と言って、彼はログアウトした。その後は一人で作業をしていた。
18:00頃~
青川がログインしてきたので二人で次の展開について話し合っていた。リュミエールロビーでは夕日を80人くらいが見ていた。30分くらいして、夕日が沈んだ時に自然と湧いた歓声がとても嬉しかった。工夫して作った甲斐があるというものだった。僕、これくらいしかできないけど、皆の役に立てているかな?アカ。
ヒント?:正体を明かすと騒がれそうだ。無闇には正体を明かせない。あなたは運営に欠かせない人材だ。